第69話:残り26日

 「自分の機嫌を自分で取れ」とか「置かれた場所で咲きなさい」などの言説が嫌いだ。社会生活を送る上で負の感情を必要以上に出さないほうが円滑にいく、というのは理解出来る。でもああいう言説、今にも爆発しそうな張り詰めたメンタルの人に向けられることが多いから、「それは、不機嫌を表明している人のことをあなたが見ると、あなたが嫌な気持ちになるからそう言ってるんですよね?違います?そうなんだったら、あなたこそ自分の感情をコントロールしてはいかがですか?」と皮肉を言いたくなる。

 人間の感情は、その人がどうこうってよりその人が今いる環境や、これまで置かれてきた環境によって作られる部分が大きいように思う。だから、親しい人でイライラしてる人や鬱っぽい人がいたら、「こわ、近寄らんとこ」よりかは「どんな環境に置かれているのか」を気にするべきだと思う。

 

 自分の機嫌を自分で取るべく、ちょっと豪華なお寿司を宅配してもらったのに、元気が出なくて一個も食べられず、全部無駄にしてしまった。洗濯物を干さなきゃなのに、洗濯機が終わっても取り出す気力が出ず、結局3回洗って、ようやく干すことが出来た。

 

 きっと、分からない人には分からない感覚だと思う。それは別に構わない。でもだったら、分からない人には黙っていてほしい。少なくとも、そういう状態にいる人を責めたり怖がったりすることはしないでほしい。対岸の火事だと思えるお気楽な頭で生きていけばいいと思う。その人に、いつか同じ状態になってほしいなんて思わない。ただ、その人の大切な人が同じ状態になった時、その人はどんな反応をするんだろうな、というのは気になる。人はどこまでを他人と認識して自分から切り離し、どこからを自分に近い存在と見做して心をざわつかせるんだろうね。

 

 家事も仕事もやっつけて、私は今日も生き延びました。爆美女になって好きな街で好きに生きるために、明日も日銭を稼ぎましょう。