第67話:残り31日

 知人が結婚した。大学は違うけれどサークル関連で知っていて、就職はなんと私の地元だった人。結婚後も今の職場がある街で暮らすらしい。

 首都圏出身の人が私の地元に根付いていることが衝撃で、体調悪くて横たわりうとうとしていた眠気も、結婚の報告を受けて一瞬で消えた。あんな街にわざわざ!?首都圏の人が住みたいと思うもんなのか!?という驚き。

 まあでもあれか、結婚相手がいる街ならどんな街でも魅力的ではあるか。それにあの街も、今私が住んでる街に比べたら、時間も人も穏やかだし悪いところばかりじゃないもんなと思いつつ、やっぱり驚きは驚きだ。

 

 でもちょっとだけ嬉しかった。私が育った街も悪いところばかりじゃないって、その人の目に映ったんだなって。首都圏に比べて電車はないし本屋はないし、お店もないし仕事もない、若者もいないし無い物だらけ。あ、果物畑と山、川、温泉はある。

 そんな場所にいることを、あの賢い知人が選んだ。別に街を選んだんじゃないだろうけど、でもそれがなんだかとっても嬉しかった。

 

 私や私の家族が持つ地元情報、古いものもあるでしょうが、使えそうなものがあったら使ってください。なんでもお伝えします。なんにも知らない私が開いたクリスマス練習会に来てくださったこと、お世辞でも「詠みが聞きやすい」と言ってくださったこと、雪の日に一回、地元の居酒屋でご飯を食べたこと、どれも嬉しかった思い出です。本当におめでとうございます。どうかこれから楽しいことがたくさんある人生になりますように!!めでたい!!