第62話:残り57日

 Twitterのスペースで知り合った、顔も名前も知らない人達の言葉、友達の励ましや祝福の言葉、抽選で当たった一杯分のドリップコーヒー、寒い日に入るあったかいお風呂、一人旅の記憶、毎日の労働。色んな優しさに守られて、私の心に悲しみが入る隙はない。

 

 元婚約者の親御さんによるトラブルで始まった婚約破棄騒動。約1年、相手と何度も、どうにか誤解や思い込みをほどき結婚できる道はないか探ってきた。直接会って話したり文字で話したり、手段は色々。悲痛な声を出したりその場の空気に騙されたりしながら、なんやかんやしぶとく頑張ったほうだと思う。それを今日、全部終わりにした。きちんと私から、正式に関係解消をしようと切り出して、私たちは晴れて、結婚相手から先輩後輩に戻った。

 この1年ぼろぼろになりながら来たし、諦めもついたから、不思議と絶望はしていないし、むしろ清々しい気持ちすらある。トラブルの原因を作ったのは婚約者とその両親で、私はただ暮らしていただけなのに、何故か親御さんは私に、ややこしい状況になったのは主に私のせいだと言わんばかりに、私に対して謝罪を要求しているらしい。訳が分からないし、きっとそのことを私の両親に言ったら、怒りのあまり血管が切れると思う。うちの親に会ったこともないくせに、うちの親の悪口を散々息子さんにLINEしていたあちらのご両親。人間を見限ること、人生で起きないだろうと思っていたけどありました。こういう当たり屋みたいな人間は相手にしない、離れて関わらないに限ります。どうしてもって言うなら、婚約破棄は慰謝料の請求も可能ですし、出るとこ出ましょうか?とも思うが、まあ関わらないが吉ですねきっと。くわばらくわばら。

 

 どんな形の幸せが私にとっての幸せかは分かりませんが、これからは晴れ晴れとした気持ちで毎日を生きるのみです。やったね!!!!!