第57話:残り81日

 ストレスとか疲れとか、見ないようにしていたものを「ストレスかかってますよ」「疲れてますよ」と言われて、それによってメンタルも身体もガタが来始めた。熱は出るし生理は止まるし、怠いし眠いし眠れないし、泣きたいし八つ当たりしたいし。嫌なことを思い出したり、明日や明後日、1年後を悲観したりして、めそめそする毎日だ。

 一人じゃなかったら違ったかな。二人暮らしだったら、正面からダメージくらわないで済んだかなとか考えると、どうしようもなく悲しくなる。ずっと一人で生きていくのはしんどい。泣いてもどうにもならないって分かっているけれど、辛いものはどうしたって辛い。私も眞子様みたいになれば良かった。そのほうがどんなにかマシだっただろう。どうして知り合いや友達が、健康か不健康かに関わらず結婚して幸せに暮らしていて、なんなら子どもやペットだっているのに、どうして私はひとりぼっちなんだろう。長生きなんて絶対にしたくない。

 部屋が凄まじく荒れている。誰か片付けてくれないかな。一人で頑張る力なんてもう付けたくない。シスターにでもなっていればよかった。財産はなくとも、共同生活を送る人がいて、労働や存在意義が保証されていて、そういう人生のほうが、今こうして一人でもがいているより数倍幸せな気がする。孤独じゃないもの。周りには人がいるし、孤独を感じたら神様に祈ればいい。まあ、私はクリスチャンじゃないしカトリックの価値観にも馴染めないだろうから、仮になろうとしても、シスターになる前のお試し期間で脱落していただろうけれど。

 でも、なんとかして生き延びて、電車社会に帰って誰かと楽しく共同生活を送りたいから、なんとかかんとか頑張ってみてはいる。インターネットで知り合った名も知らぬ人たちとおしゃべりしたり、「小さな目標を立て合い励まし合い、進捗を報告し合う会(仮)」を作ったり。自分を励ます共同体が無いなら、見つけるか作るかするしかない。一人で頑張れないなら仲間を作るしかない。単純な話である。

 

 明日と明後日は疲れない程度に仕事して、土曜日は部屋を全部片付けましょう。お金を払って人にやってもらうのもありだよね。頼れるもの頼って使えるもの全部使って。るんるんでつよつよな私になって東京に帰るまで、勝つまでがこのゲームです。今に見てろこんちくしょうめ。