第24話:残り158日

 主担当になって動いている案件、折り返し地点で道筋が見えてきた。今月頭に上司が変わってからは仕事がぎゅんぎゅん動くようになり、とりあえず今のところは、いい感じに役割分担して進められている。完遂はまだだし、明日出社したらまとめる資料、探すデータ、諸々あるけれど、ひとまず頑張ったので、今日の夕飯は鯵の刺身にした。

 隣の課の課長は、相変わらずがはがは笑って素行に品がない。社員からも慕われてはいなさそうだ。それでも最近、なぜそんな人がマネジメントの立場に来たのか、少し納得したことがある。

 その人は、目の前の仕事を作業としてではなく、なぜ必要なのか、寄って立つ法律は何か、背景をきちんと把握しようとする人だった。「そうでないと応用が効かないから」だという。

 部下からの信頼や職務態度、コミュニケーション方法については、見ていて「なんでこんな人がこの立場に?」と疑問だらけだ。はっきり言って苦手である。声がやたら大きいのも嫌いだ。でも、仕事に対する態度というか、向き合う姿勢は、私は好きだ。もちろん、姿勢と成果は比例しないものだから、それが良ければ全て良しって訳ではない。ただ、向き合い方の真摯さや、自分の仕事が大枠のどこに位置付けられているものか、俯瞰して取りかかる重要性を理解している点は、間違いなく私の中に取り込みたい要素だ。こんな言い方失礼だけど、一寸の虫にも五分の魂ってこういうことかなと思う。

 明日働けばお休みが待っている。あと1日、遊ぶ余力を残しつつてきぱき働きたい。案件が片付いたらサイゼリヤで豪遊しよ。